一年ぶりの熊野の渓。
去年訪れたのは五月の末。
去年より魚の数は少なかった気がする。でも去年のように釣れ過ぎて飽きたりすることは無かった。
去年は新緑の葉で渓全体が覆われていたが、今年はまだ葉が少なく山の上では桜が咲いていた。
一ヶ月早いだけで渓の様相は全く違っていた。
しかしどんな季節に来ようとも、この渓の美しさには感動すら憶えるだろう。
六時間遡行して最後に待っているのは滑滝の壷になっているプール。
前回大物の出たこのポイントには、同じようにいい型のアマゴが潜んでいた。
放流活動も無しにこれだけの魚が供給され続ける事には驚かされる。
今年も大物に出会えた事に満足して、我々は渓を後にした。
帰り際には、また大物がライズしていた。